コスモス認定とは?建設業の労働災害防止のためのシステム
コスモス認定とは、建設業労働災害防止協会(建災防)が行う、建設事業場の労働安全衛生マネジメントシステムの評価・認定制度です。
コスモス認定を受けると、安全衛生の質の向上や意識の強化などのメリットがあります。また、計画届免除制度との整合性も図られています。
平成12年~令和3年までの労働災害発生状況
厚生労働省の令和3年の労働災害発生状況の発表によると、令和3年における建設業の労働災害の発生について、死亡者数は令和2年の258人から30人増加し、288人となった。
休業4日以上の死傷者数においても、建設業・全産業とも大きく増加している。
引用元:建設業労働防止災害協会
令和3年からコスモス認定が重要視される
建防災がおこなっている「建設業労働安全衛生マネジメントシステムガイドライン」(コスモスガイドライン)を導入すれば、建設業の労働災害の減少幅が多くなっています。
このシステムの導入により、次のようなメリットが期待できます。
1、経営理念の中に安全衛生が取り込まれることにより、安全衛生管理が事業を行う上で欠かせないことが明確となります。
2、PDCAサイクルの運用により、安全衛生水準の継続的・段階的向上が図れます。
リスクアセスメントの導入により、個々の建設現場の状況に応じた安全衛生対策がたてられます。
3、作業員等の参画により安全衛生活動の取り組みが活性化されます。
4、個人の能力に頼らず組織的な取り組みが可能となります。
コスモス認定を受けるにはどうすればいい?
コスモス認定を受けるには、建災防に申込み書類を提出する必要があります。
申込み書類には、コスモス認定基準に適合していることを示す手順書や記録などが含まれます。中小規模の建設事業場の場合は、コンパクトコスモスという簡易版の認定制度もあります。
参考 ・コスモス認定の流れ
まとめ
労働災害者の人数は、業界が一丸となって労働災害防止に取り組み令和2年まで一貫して減少してきました。
しかし、ついに令和3年に大きく増加してしまいました。令和4年の統計もでていますが、令和3年より増加している統計が出ています。
この傾向は建設業だけの原因ではなく、労働者の高齢化・技術者の不足等日本が抱えている人口問題にも原因があります。
今後、日本での人口増加が見込めない中で、建設業の労働災害防止の方法としては、安全管理システムの導入による徹底した効率化が求められます。
労働災害防止には、コスモス認定のほかにも様々なシステムや方法があります。特に建設業経営者においては、さらなる労働現場への安全に目を向けた対策が求められています。